こんにちは。
岩手県盛岡市にある、ソラボ不動産の中の人です。
ブログを始めることにしました。
2026年に。
いまさら。
いまは、分からないことがあればAIに聞けます。
「家を高く売る方法を教えて」と打ち込めば、3秒くらいで立派な答えが返ってきます。
複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
売却前に相場を調べましょう。
信頼できる担当者を選びましょう。
正しい。
非常に正しい。
ただ、少し困るのです。
それは、「健康のためには、適度な運動と十分な睡眠が大切です」と言われたときの困り方に似ています。
分かっている。
それで、私の場合はどうすればいいのか。
不動産の相談で本当に知りたいのは、たぶんそこです。
不動産は、一般論がすぐに役に立たなくなる
不動産には、一つとして同じものがありません。
同じ盛岡市内でも、道路一本で売れ方が変わります。
同じ築30年の家でも、丁寧に手入れされた家と、雨漏りを壁紙で包み込んだ家では、ほぼ別の生き物です。
土地の形、接している道路、隣地との境界、建物の状態、相続人の人数、住宅ローンの残額。
さらに、
「少しでも高く売りたい」のか。
「多少安くても早く手放したい」のか。
「できれば建物を残したい」のか。
売る人の事情まで違います。
条件が一つ変われば、答えも変わります。
不動産について書かれた一般論の多くは、最後にこう締めくくられます。
「詳しくは専門家に相談しましょう」
ここまで読ませておいて、最後は専門家に丸投げ。
ゲームの攻略記事を開いたら、
「敵の攻撃を避けながら、こちらの攻撃を当てれば勝てます」
と書かれていたようなものです。
間違ってはいません。
驚くほど役に立たないだけです。
不動産会社のブログにも、会社側の都合があります
ここは最初に白状しておきます。
不動産会社がブログを書くのは、慈善事業ではありません。
読んでくださった方に会社を知ってもらいたい。
できれば相談してほしい。
仕事につながれば、もちろんうれしい。
当社も同じです。
「皆様のお役に立ちたい一心で、見返りを求めず情報を発信します」
と書いた方が美しいのでしょうが、そこまで無欲ではありません。
会社なので。
ただし、どの記事も最後に、
「不動産のことなら、何でもお気軽にご相談ください」
と着地させるつもりもありません。
なぜなら、相談した結果、
「まだ売らない方がいい」
「その工事はしなくていい」
「当社より、別の専門家に相談した方がいい」
となることもあるからです。
不動産会社にとって一番ありがたい結論と、お客様にとって一番よい結論は、いつも同じとは限りません。
この少し気まずい事実をなかったことにすると、不動産会社の文章は急につまらなくなります。
何を読んでも、自社のサービスが最高という結論になるからです。
結末の分かっている映画です。
だいたい眠くなります。
地価は上がっている。でも、空き家も増えている
2026年の地価公示では、全国平均の地価は5年連続で上昇しました。
その一方、日本の空き家は900万戸を超え、過去最多となっています。
不動産が値上がりしている。
不動産が余っている。
一見、矛盾しているように見えます。
でも、どちらも本当です。
欲しい人が多い場所では、価格が上がる。
欲しい人が少ない場所では、売りたくても売れない。
同じ岩手県内でも、同じ盛岡市内でも、その差はあります。
これからの不動産は、
「持っていれば、そのうち値上がりするもの」
でもなければ、
「人口が減るから、全部値下がりするもの」
でもありません。
価値の残る不動産と、維持すること自体が負担になる不動産の差が、今まで以上にはっきりしていく。
少なくとも、現場ではそう感じます。
だから、「不動産は資産です」という言葉も、半分は正しく、半分は乱暴です。
資産になる不動産もあります。
お金と手間を吸い込み続ける不動産もあります。
同じ漢字二文字でまとめるには、少々個性が強すぎます。
このブログで書くこと
このブログでは、不動産会社に相談する前に知っておいた方がいいことを書きます。
たとえば、
一番高い査定額を出した会社が、一番高く売ってくれるとは限らないこと。
古い家を売る前に、必ずしも解体やリフォームをする必要はないこと。
相続した不動産は、すぐ売るべき場合もあれば、急がない方がいい場合もあること。
不動産会社側の事情も書きます。
なぜ高い査定額が出るのか。
なぜ値下げを勧めるのか。
なぜ売りやすい物件と、正直あまり売りたくない物件があるのか。
会社としては、少し書きにくい話もあります。
書きにくい話ほど、相談する側にとっては知っておく意味があります。
誰かを攻撃したいわけではありません。
不動産業界を悪者にするつもりもありません。
私自身、その業界で20年以上仕事をしてきました。
つまり、遠くから石を投げているのではなく、中に立ったまま書きます。
自分の足元にも、普通に石は落ちてきます。頭上にも落ちてくるでしょう。
「相談しやすい」は、優しく話すことだけではない
ソラボ不動産は、「相談しやすい」を大切にしています。
ただ、相談しやすい会社とは、愛想よく何でも引き受ける会社ではないと思っています。
分からないことを、分かったふりをしない。
難しいことを、簡単だと言わない。
売れにくい不動産を、簡単に売れると言わない。
お客様にとって都合の悪いことも、不動産会社にとって都合の悪いことも、できるだけ先に話す。
それも、相談しやすさの一部です。
不動産は、多くの人にとって何度も売買するものではありません。
一方、不動産会社は、それを仕事として何度も経験します。
この経験回数の差は、かなり大きい。
知らない方が悪い、で済ませてよい差ではありません。
このブログが、その差を少しだけ埋めるものになればと思っています。
たぶん、まじめな話ばかりではありません。
岩手の不動産事情や、実際の現場で感じたこと。
不動産業界の不思議な習慣。
ときには、不動産とあまり関係のない話まで書くかもしれません。
会社のブログなのに脱線する。
大丈夫なのか。
少し心配です。
ただ、どこかで見たような無難な記事を増やすくらいなら、書かない方がインターネットには親切です。
役に立つこと。
できれば、少し面白いこと。
そして、読んだ後に判断材料が一つ増えること。
そのあたりを目指して書いていきます。
ソラボ不動産のブログ、始めます。
以上、よろしくお願いいたします。
2026年7月31日
株式会社ソラボ不動産