不動産を売り出す。
お問い合わせが入る。
内覧していただく。
申し込みが入り、契約して、お引き渡し。
文字にすると、ずいぶん一直線です。
実際の売買も、この順番で進むことは多いのですが、その間には銀行さんとのやり取りがあり、日程調整があり、ときには「ここまで来たのに」ということもあります。
今回は、当社で実際にご成約いただいた二つの取引を振り返ってのお話。
どちらも、売主様から物件をお預かりして、買主様へお引き渡しするところまで。
同じ「売買成立」でも、そこまでの道のりは少し違います。
個人が特定されないよう、時期や細かなやり取りは一部省いていますが、話の流れはできるだけそのままです。
掲載してすぐ、問い合わせが5件入った家
花巻市のリフォーム済み中古住宅を、売主様からお預かりしたときのことです。
at homeとSUUMOに掲載すると、ほどなく5件ほどお問い合わせをいただきました。
数日後には3組をご案内。その日のうちに、最初に内覧されたお客様から購入申込書が届きました。
ここから住宅ローンの仮審査を進めながら、売主様と買主様のご都合を確認して契約日を調整します。
10日ほどで無事に仮審査が承認され、そのまま売買契約へ。
内覧から契約までは、およそ2週間でした。
契約後は売買契約書などを使って住宅ローンの本審査へ進み、こちらも約2週間で承認。その翌週に代金の決済と物件のお引き渡しとなりました。
こうして書くと、
「問い合わせが来て、そのまま売れた」
くらいの話に見えます。
実際にはその間に、住宅ローンの確認、必要書類の準備、契約条件の打ち合わせ、銀行や司法書士との調整など、多くのやり取りがあります。
いろいろとステップはあったものの、順調に進んだお取引の一つでした。
3度目のお申し込み。ところが契約当日に
もう一つは、ずいぶん時間のかかった物件です。
売り出してから約1年後、ようやく購入のお申し込みをいただきました。
ネット銀行の住宅ローン仮審査は承認。
売買契約まで進みました。
ところが、本審査で融資が通りませんでした。
実店舗のある銀行さんでの審査もご提案しましたが、お客様のご事情もあり、「そのネット銀行がダメなら諦めます」とのことで、いったん白紙となりました。
再び販売を始めます。
その後、別のお客様からお申し込みをいただきましたが、今度は銀行の仮審査で承認が出ません。
フラット35など、ほかの方法も検討しましたが融資には至らず、こちらもキャンセルとなりました。
売主様は「しょうがないですね」と言ってくださいましたが、がっかりさせてしまったのは事実です。
そこからさらに1年以上が経ち、別のお客様をご案内しました。
内覧後に購入のお申し込みをいただき、今度こそ契約へ、というところまで進みます。
ところが契約当日、ご親戚の方から
「本当に買って大丈夫なのか」
という話が出たとのことで、買主様からキャンセルも考えているとご相談がありました。
そこで契約を急ぐのではなく、ご親戚の方にも一緒に物件を見ていただくことにしました。
もう一度現地をご案内し、建物や購入条件について確認していただいた結果、ご納得いただき、その後は無事にお引き渡しまで進むことができました。
売主様のためにも、買主様のためにも
売主様から物件をお預かりした以上、私たちは当然、なんとか良い形で成約までつなげたいと思っています。
一方で、買主様から迷いやキャンセルのお話が出たときに、
「今月の売上のために、何が何でも契約してもらおう」
という仕事はしたくありません。
話を整理した結果として「今回は買わない」という結論になるなら、それも一つの答えです。
売主様のためには、預かった物件をきちんと次の方へつなぐ。
買主様のためには、進むときも、立ち止まるときも、納得して判断できる材料をきちんとお伝えする。
物件一つずつ、進み方が違います
最初にご紹介した花巻の物件は、掲載からお引き渡しまでかなり順調に進みました。
二つ目の物件は、申し込みや住宅ローンの審査を何度も経て、時間をかけてようやくご成約となりました。
同じ「住宅の売買」でも、進み方はまったく違います。
そして、あっさり進んだように見える取引にも、表には出ない確認や調整がいくつもあります。
その時々でできることをやって、うまくいかなければ振り返る。
華々しい話ではありませんが、そんなことを繰り返しながら、一つずつお引き渡しまでたどり着いています。
物件をお探しの方は、下記から現在ご紹介できる売買物件をご覧いただけます。
売却をご検討中の方は、物件の状況や今後の進め方についてご相談いただけます。
同じ中古住宅の売却でも、こんなに進み方が違います。
そして、この二つの取引よりもっと前。
そもそも「いくらで売り出すのか」の段階にも、けっこう難しい話があります。
仲介で時間をかけて買主様を探すのではなく、価格の一部と引き換えに「早く手放す」という選択をした家もありました。
▶ 高く売れるかもしれない家を、買取で手放した理由――仲介と買取の違い
