この家は、売り出してから何度か価格を改定しています。
2025年12月、1,798万円から1,698万円へ。
さらに2026年4月、1,480万円へ。
合計で318万円の価格改定です。
ただ、その間に部屋が一つ減ったわけではありません。
2階のトイレも、蔵のように使える収納も、ロフトも、そのまま残っています。
変わったのは家ではなく、値札です。
不動産は、値段が下がると建物まで少し悪くなったように見えることがあります。もちろん、売れない期間が長くなれば、何か理由があるのではないかと考えるのは自然です。
しかし、価格改定のたびに床がきしみ始めるわけでも、収納が少しずつ縮むわけでもありません。
この家の場合、売り出した側と、買主様が検討しやすい価格との距離を、少しずつ縮めてきたということだと思います。
[外観]

新築のふりをしていない家
この家は、元の所有者様が住み替えのために売却し、その後、買取再販業者様がリフォームして販売しています。
盛岡市小鳥沢一丁目に建つ、1990年築のミサワホーム施工住宅。
間取りは5LDK。土地面積は221.81㎡、建物面積は113.85㎡です。キッチンやトイレ、洗面化粧台、給湯器の交換、クロスや床の張り替えなどが行われています。
[LDK]

室内に入ると、白い壁と濃い色の床が目に入ります。
キッチンも新しくなり、水回りも整えられています。
とはいえ、これは新築住宅ではありません。
窓の位置や部屋のつながり方、和室のつくりには、この家が建てられた時代の雰囲気が残っています。
中古住宅のリフォームは、新築に見せるための作業ではありません。
傷んだところを直し、まだ使える部分を残し、次の買主様が新しい暮らしを始められる状態へ整える。
この家が過ごしてきた時間まで消そうとしない。そのくらいの距離感が、中古住宅にはちょうどいいのかもしれません。
収納の本当の役割
この家には、蔵のように使える収納とロフトがあります。
収納が多いことは、内覧でも分かりやすく喜ばれる長所です。
ただ、収納の本当の役割は、物をたくさん詰め込むことではありません。
生活動線を、物置にしないことです。
季節家電が廊下に並ぶ。
タイヤが玄関の一角を占領する。
趣味の道具が、少しずつ部屋の壁際へ領土を広げていく。
物は、置き場所を決めなければ、空いている場所を勝手に収納へ変えていきます。
私も釣りを始めた頃は、竿とクーラーボックスがあれば足りると思っていました。
それが、いつの間にか仕掛けが増え、タモが増え、バケツが増え、ヘッドライトが増えます。
趣味というものは、本人に気づかれないように道具を増やす能力があるようです。
そこで収納が足りなければ、廊下や玄関、使っていない部屋が受け皿になります。
[ロフトと蔵収納のある洋室]

5LDKと書かれた家でも、一部屋が段ボールや季節用品に占領されれば、実質的には4LDKです。
さらに廊下まで物が進出すれば、間取り図には載っていない「物置」が家の中に増えていきます。
部屋数は、間取り図を見れば分かります。
しかし、その部屋数を本当に部屋として使えるかどうかは、収納を見なければ分かりません。
蔵のような収納やロフトは、単に物が多く入る場所ではありません。
5LDKを、最後まで5LDKのまま使うための場所です。
2階のトイレは、朝になると存在感を増す
この家には、1階だけでなく2階にもトイレがあります。
不動産広告では、「トイレ2か所」の一行で終わります。
しかし、朝になると、その一行の価値が上がります。
家族が同じ時間に起きる。
誰かが洗面所を使う。
誰かがトイレに入る。
朝の廊下には、順番待ちの重たい空気が少しずつ充満していきます。
[2階トイレ]

誰かが使っていても待たなくていい。
夜中に階段を下りなくていい。
1階に来客がいても、家族は2階を使える。
派手な設備ではありません。
ただ、毎日の小さな不便を、黙って減らしてくれます。
住宅の便利さは、写真映えする順には並んでいません。
庭を残すか、車を増やすか
現在の駐車スペースは少し狭めの2台分です。
敷地には庭木や植栽も残り、南側と西側の道路に面した角地になっています。
[外観・駐車スペース]

駐車場については、敷地の形状や工事内容による制限があり期待ほど大きくは拡張できませんが、可能な範囲で工事を検討できます。
必要な車の台数は、ご家庭によって違います。
庭木を残したい買主様もいれば、駐車スペースを優先したい買主様もいます。
一方で、住宅の工事にはゲームのような「一つ前に戻る」というボタンがありません。
だから、車を何台置きたいのか。
来客用のスペースまで必要なのか。
庭を眺めたり、少し植物を育てたりする余白を残したいのか。
そのご家庭の暮らし方を先に考えてから、工事の範囲を決めるのがよいと思います。
今の形が、すべての買主様にとっての完成形ではありません。
見方を変えれば、次の買主様が自分たちの暮らしに合わせて完成させられる余白が残っている家です。
値下げされた家に残っているもの
値下げされた物件を見ると、「何か問題があるのではないか」と考えるのは自然です。
中古住宅ですから、築年数や建物の状態、リフォームされていない部分など、現地で確認すべき点はあります。
新築と同じつもりで買う家でもありません。
それでも、価格が下がったという一つの事実だけで、家の中身まで悪くなったわけではありません。
売り出し価格は、売主様側から市場へ出す最初の提案です。
その後の反響や内覧状況を見ながら、買主様が検討しやすい価格へ近づけていきます。
この家に残っているのは、ミサワホーム施工の5LDK。
蔵のように使える収納とロフト。
朝の小さな渋滞を減らしてくれる、2階のトイレ。
そして、庭を残すか、駐車場を広げるかを考えられる余白です。
価格は318万円下がりました。
しかし、暮らしやすさまで318万円分なくなったわけではありません。
むしろ、最初の価格では候補に入らなかった買主様にとって、ようやく中身と値札を一緒に見られるところまで来た、ともいえます。
この家の良さは、内覧した瞬間に大声で主張してくる種類のものではありません。
収納がある。
トイレが二つある。
部屋数に余裕がある。
必要なら駐車場を広げられる。
住んで半年ほど経ってから、「これがあってよかった」と気づくものが、いくつも残っている家です。
【物件販売ページ】
https://www.athome.co.jp/kodate/6987741777
Youtubeの内覧動画もぜひご覧ください。
物件概要
所在地
岩手県盛岡市小鳥沢一丁目
販売価格
1,480万円
間取り
5LDK
土地面積
221.81㎡
建物面積
113.85㎡
築年月
1990年4月
施工
ミサワホーム
駐車場
現況2台分
拡張工事は現地および工事内容の確認を前提として相談可能
現況
空家
リフォーム内容
■キッチン交換
■トイレ交換(1F,2F)
■洗面交換
■壁紙全面交換
■スイッチ交換
■各部屋エアコンコンセント新設
■鍵交換
■火災報知器設置
■給湯器交換
■網戸張り替え
■フローリング改修
■シロアリ点検
■ハウスクリーニング
■ほか小修繕等
※物件情報は変更となる場合があります。最新の販売状況、工事の可否、建物の状態については、現地およびお問い合わせの上ご確認ください。