家を持つと、ホームセンターに行く回数が増えます。
たとえば蛇口のゴムパッキン。
ネットで探せばすぐ見つかります。
ただ、太さ、内径、外径。
似たような黒い輪っかがたくさん出てきて、どれが我が家の蛇口に合うのか分からない。
数百円の部品なのに、購入ボタンが押せません。
結局、外したパッキンを確認しながらホームセンターへ。
賃貸に住んでいたときは、管理会社に連絡で済んでいたことです。
ドライバー一本で直ることもある
たとえば、ドアの建て付け。
少し擦るようになった。
閉まり方が前と違う。
業者さんにお願いしようかな、がよぎりますが、ドアをぐるっと見てみると、蝶番などに調整できる部分があって、ドライバー一本で直ることがあったりします。
巾木が少し浮いてくれば、今度は接着剤を調べる。
木工用なのか。
速乾なのか。
こういう素材には何が向いているのか。
接着剤売り場の棚の前で妙に真剣になります。
YouTubeも強い味方です。
検索すると、だいたい誰かが先に壊して、先に直しています。
ありがたい時代です。
以前お預かりした中古住宅には、外壁塗装までご自身でされたという家もありました。
そこまで行くと、DIYというより職人への入口が少し見えます。
食洗機を交換しようとして、途中でやめた
つい最近、自宅の食洗機が壊れました。
使用開始から、ほぼ10年。
故障タイマーがついているかと思いましたが、壊れたものはしょうがありません。
調べると後継機種があり、交換している動画も見つかる。
古い食洗機をどう外すのか。
給水や排水はどうなっているのか。
動画を見ながら調べていくと、なんとなく仕組みが分かってきます。
これなら自分でもできるのでは。
そう思って本体をネットで注文しました。
ところが、動画ではさらっとしか触れていなかったアース線の接続が、実物を見てみると思っていたよりも簡単ではない。
作業内容によっては電気工事士の資格が必要になるものもありますし、専用の圧着工具も必要そうです。
その工具、おそらく今回の食洗機を交換したあと、かなり長い眠りにつきます。
結局、設置だけ業者さんへ依頼しました。
本体の購入から丸ごとお願いするよりは、安く済んだと思います。
そして私は、食洗機が壊れる前より明らかに食洗機の裏側に詳しくなりました。
家を持っているとこういう知識が少しずつ増えていきます。
持ち家になると、自分で決めることも道具も増える
賃貸なら、不具合があれば管理会社や大家さんへ連絡する場面があります。
自分の家では、まず自分で考えます。
これは直せそうなのか。
業者さんにお願いした方がいいのか。
そもそも、どこへ頼めばいいのか。
危ない作業や資格が必要なものには手を出さない。その線引きも調べるようになります。
庭があれば草刈り道具。
高いところには脚立。
いつの間にか工具箱には、買った記憶も少し曖昧な工具が何本か入っています。
そうやって「これは自分でやってみよう」が増えると、道具も増えていきます。
少しずつ、自分の家になっていく
家は、住み始めた日がいちばん新しい。
そこから先は、少しずつ古くなっていきます。
新築でも中古でも、時間が止まることはありません。
でも、不思議なもので、手を入れた場所が増えるほど、その家のことを前よりよく知るようになります。
このドアはここを調整すれば直る。
この巾木には、この接着剤が合う。
この設備は、裏でこうつながっている。
そういう小さなことが増えていく。
経年劣化と呼べばその通りです。
ただ、住んでいる側から見ると、全部がただの劣化でもありません。
傷がついた場所も、直した場所も、少し手間のかかった設備も、その家で過ごした時間として残っていきます。
新しかった家が、少しずつ自分たちの家になっていく。
古くなるほど、知っている場所が増えていく。
ホームセンターへ行く回数が増えるのも、そんな暮らしの一部です。
