いくらまでの家なら買えるのか。――聞く相手によって、見ている数字が違う

戸建住宅を探していると、早い段階で出てくる話があります。

「予算はいくらにしますか」

家を買うのだから、当然です。

3,000万円なのか。

4,000万円まで考えるのか。

頭金を入れるのか。

住宅ローンはいくら借りるのか。

数字を決めれば済みそうですが、この「予算」がなかなか一筋縄ではいきません。

銀行さんに聞けば、借りられる金額を考えてくれます。

不動産屋に聞けば、その予算でどんな家が買えそうかが分かります。

FPさんなら、これからの家計を含めて考えてくれるでしょう。

みんな、それぞれ違う場所から予算を見ています。

そして最後に残るのが、

「では、自分たちはどうするか」

です。

銀行から見た「借りられる金額」

住宅ローンの相談では、年収や勤続年数、年齢、ほかの借り入れなどをもとに銀行さんが審査をします。

これは大事です。

そもそも融資が受けられなければ、資金計画はそこで止まります。

ただ、

「4,000万円借りられます」

と、

「4,000万円借りても、この先ずっと安心して暮らせます」

は、少し違う話です。

不動産屋から見た「その予算で買える家」

不動産屋は、物件価格や諸費用、住宅ローンを見ながら、

「このくらいの総額になりそうです」

という話ができます。

たとえば、予算を500万円上げると、どんな物件が候補に入ってくるのか。

こちらは実際の物件を見ながら考えることになります。

そして取引をしていると、少し背伸びした購入が、その後の事情も重なって重荷となるケースにも出会います。

反対に、慎重に考えて予算をかなり抑えたものの、その価格帯では希望する住宅がなかなか見つからないこともあります。

予算を動かすと、買える家だけではなく、その後の暮らしも一緒に動きます。

FPさんに聞けば、答えが出るのか

資金計画には、ファイナンシャルプランナーという専門家もいます。

教育費、保険、老後資金、住宅ローン。

これから先のお金を長い時間軸で考えるなら、かなり心強い存在です。

何年後にどのくらいお金が必要になりそうか。

住宅に使える金額はどのくらいか。

数字にして並べてもらうと、頭の中だけで考えていたものがかなり見やすくなります。

それでも、数字にしにくいものがあります。

たとえば、

子どもには希望する大学を選ばせたい。

今の仕事を10年後も続けているかは分からない。

車は多少お金がかかっても好きなものに乗りたい。

旅行は削りたくない。

それは計算式よりその人の暮らしの話です。

もしかしたらFPさんに相談するときも、詳しく話したくない内容があるかもしれません。

月々○万円なら払える、の先にあるもの

住宅ローンでは、

「今の家賃と同じくらいなら」

という考え方もよく出てきます。

分かりやすい基準です。

ただ、戸建を持てば固定資産税もあります。

そして、給湯器や屋根、外壁が「今月は固定資産税の支払いがあるので壊れるのを来月にします」と気を遣ってくれることもありません。

一方で、住宅ローンを少し多く組んだからといって、必ず生活が苦しくなるわけでもありません。

収入が増えることもある。

子育てにかかるお金が一段落する時期も来る。

預貯金をどのくらい残しておくかによっても違います。

結局、「月々いくら払えるか」だけでなく、払ったあとにどんな暮らしをしたいか、という話になります。

自分たちの暮らし

銀行の視点、不動産屋の視点、FPの視点。

どれも参考になります。

そして、家族のこれからを一番細かく知っているのは、やはり自分たちです。

今の仕事を、この先も続けたいのか。

趣味に使うお金をどう考えるのか。

子どもにどんな選択肢を残したいのか。

専門家からいろいろな物差しを借りて、数字を並べてみる。

ただ、「じゃあ、うちはいくらまでなら無理なく払えるのか」は、どこにも印刷されていません。

最後は、自分たちの暮らしと相談して決める数字です。

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